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2022.10.23

【施設】サンクチュアリコート日光

サンクチュアリコート日光 桜花抄

桜の花びらが舞い落ちる速度は秒速5センチメートルと言われているらしいのですが、雪が舞い落ちる速度とどちらが早いのだろうか。
そんな季節外れの事を考えながら電車に揺られ、とある駅で降りる。

暑い日も続き、少し涼しくなったかと思うと、急激に寒くなったような気がする。秋が来れば、冬になり、そして春になる。当たり前の話だ。
若い頃小田急線沿線に住んでいた事があり、幾度となくこの電車に乗って新宿へと出かけていたが、新宿駅から2つ手前の小さな駅は一度も利用した事がなく、降りてみると何故この駅で降りた事がなかったのかその理由がよくわかった。
新宿からわずか2駅。ランドセルを背に帰宅する子供達。オフィス街から目と鼻の先にも関わらず、その場所はどこか下町のような風景。

今振り返ると、子供の頃の僕はとても臆病な子供で、いつも何かを恐れ、いつも何かに怯えていた子供であったような気がする。それがいつからか社会の厳しさに揉まれ、その繊細さは徐々に消え、みんなそうやって大人になっていくのだろうか。
春休みに一人で祖母の家に電車に揺られて帰った記憶がある。振り返って見るとそれが最初の冒険だった。
その初めての冒険は、祖母の最寄の駅まで一人で行く事は出来たのだが、母親から教えられたバスに駅から乗るとそのバスは見覚えのない景色をどんどんと進み、やがてその景色は暗闇となり、繊細な僕はどこに向かってるのだろうか。と心細くなり、そのバスを途中で降りたのを記憶している。

暗闇の中、山へと進んでいくバスと、わずかばかりの民家が見えるバス停で降りる事。どちらが自分にとって良い決断だったのか。バス停で降りる事が最初の僕の初めて一人で下した大きな決断だったのかもしれない。
後に祖母から聞いた話によると、そのバスは車で帰省した時に走る道とは異なる道を走り同じ目的地まで着く。見た事のない光景と暗闇が僕を不安にさせたのだろう。

今でも鮮明に覚えているのは、田んぼの中を歩き回りようやく見つけた公衆電話。受話器を置いた時の心細さ。叔父さんが迎えに来た時の軽トラのヘッドライト。せっかく途中まで一人で祖母の家に来たのに、ゴール目前で断念した情けなさ。祖母に会えた安堵感。
ひょっとするとこれらの経験全てが大人になる僕に必要だった物なのかもしれません。

第一話 終

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