ツケを払わせられる時がやってくる
クラベールブログの読者の中にはひょっとすると、エクシブ白浜本館やエクシブ軽井沢本館が開業した時からリゾートトラストを知っているという方がいるのかもしれません。
中にはひょっとするとサンメンバーズ、リゾーピア時代の宝塚エンタープライズの時代から知っているよ。という方もいるのかもしれませんが、当時若くして会員になられている方でも80歳前後になられているかと思います
そう、まだ会員さんを集めて運動会を開催し、創業者の伊藤さんが100メートル走で「よーいドン」のピストルを放っていた時代の話である。
僕はその時の話は聞いた事でしかないから詳しい事はよく知りませんが、現在に至るまでの40年間で何が変わったのだろうか。つまり創業者である伊藤さんと現在の社長さんである伏見さんの時代では何が違うのだろうかと考える時がある。
これは僕の全くの主観でありますが一つ目はホテルに対する情熱。その情熱が感じられなくなった事。
良くも悪くも創業者である伊藤さんはホテルに対する情熱が半端なかった。昔は年に2回全営業が名古屋に集まって成績発表会というのを開催していた。今思えば新幹線代だけでも大変な金額になるのですが、そこで語る伊藤さんのホテルに対する情熱は半端なかった。今思えばちょっとイッチャッテイルという表現がピッタリである。
見方は色々とあるかと思いますが、僕の伊藤さんの評価は経営者というより、それは現在の会長の伊藤さん(当時の社長)に任せておいてホテルを芸術品として考えていたような人である。
ただ、振り返ってみるとホテルに対する情熱の一方、人材を大切にしてこなかった歴史があるような気がする。良くも悪くも昭和の時代は労働環境を置き去りにしてきた会社は多いかと思いますが1986年にリゾートトラスへと屋号変更してからの30年は、素晴らしいホテルの誕生と共に多くの人材を失った30年というのが僕の評価である。
ただその頃は良かった。何が良かったというと最近ニュースなどで取り上げられている就職氷河期の時代である。つまり就職するのに大変な時代であるから人材を確保するのに苦労しなかった時代である。現在の50歳前後の方達でちょうど僕もその時代に生きる人間である。
おそらくクラベールブログの読者の方の中には、最近開業したサンクチュアリコート琵琶湖や、ラグーナベイコート倶楽部の方がどう考えてもエクシブ蓼科やエクシブ浜名湖と比べれば素晴らしいではないか?と思う方もいるかと思いますが、それは時代の違いの話なので、そこはご理解いただけると有り難いのです。
では現在の伏見さんの時代になるとどうなのか?という事ですが、僕はよく知らない。中で見てきた事と外から見ている事。売り上げや利益などの数字を見ることはできますが、それは所詮数字だけであるから、よくわからないというのが正直なところである。
ただ創業者である伊藤さんのような情熱は伏見さんの時代のホテルに感じる事ができないような気がする。確かにインスタ映えはするだろうし、あっと驚くようなホテルがゾクゾクと開業したりしていますが、なんだかホテルに魂が宿っているように思えないのです。
もう全く意味不明かと思いますが、そんな事を感じたりする時がある。ちなみにこれは僕の主観でありますからそんなことはない。とか言われても困るのですが僕にはそう映る瞬間が時折ある。
では伏見さんの時代になって一番の変革はなんなのだろうか。と考えると従業員の労働環境の変革であるが、これは時代の流れと共にいつまでも昭和的な考えでは現在の世の中では通用しない。という部分もあるかと思いますがここに来てその歪みが浮き彫りになって来るのではないだろうかと思う事がある。
つまりリゾートトラストの利益構造を見てみると相変わらず会員権販売利益に依存しており、以前と比べると多少改善されているようですが、利益を上げるためにはホテルを作り続けないといけないというのは変わっていない。
そうなると、利益を上げるためにはホテルを作り続けないといけませんが、そのホテルは開業後維持していかないといけないという事になります。
ただここ数年で人件費は上がり続け20年前とはるかに人材確保が難しくなってきている令和の時代に、ホテルを開業し続け利益を上げるのは良いがそれを維持していく人材確保がうまく行っていないような気がする。
それはおそらく気がするのではなくうまくいってない。のかと思いますが例えばエクシブ箱根離宮、開業時と現在のスタッフの人数を比較すると、現在は開業時の約半分の人数でホテルを回している。
開業時は翌年に開業するエクシブ有馬離宮のスタッフも一緒に働いていた事を考えても少なすぎるし、当時はそんな余裕があったという事である。リゾートトラストも他業種業界同様に外国人労働者の力を借りなければホテルの経営が成り立たないようになってきているようですが、ホテルを開業しないと利益を上げれないし、そのホテルを開業するにはそれを維持するための人材を確保しないといけない。
そろそろどこかでその歪みが出てくるような気がしているし、もうその歪みは目に見えるようになってきている。
そんな人材確保が困難になってきている今月に参議院選挙が行われる。外国人労働者問題も争点の一つに挙げられていますが、果たしてこの夏の参議院選挙はリゾートトラストにどのような影響を及ぼすのだろうか。
そろそろそのツケを払わされるような気がしている。
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